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《未来とのつながり》

例年のように確定申告の真っ最中です。
二月の札幌は恒例の雪まつりのあと、今年は冬季アジア札幌大会が開かれました。
参加選手は二千名を超え、スタッフを含めて海外から多くの人が来道しました。

しかし大会運営自体は大変なようです。収入に比して運営コストが大幅に多く、
おおよそ30%程度をカバーするにすぎないという水準です。
残りは・・・そう税金です。北海道、札幌市、帯広は約47億円を
投じることになると予想されています。
今回は新しい施設を設けていませんのでよりコンパクトに運営されていますが、
オリンピックでの自治体負担の問題が頭をよぎります。

このような税金投入が許されるのは経済効果 が見込まれるからです。
日本政策投資銀行札幌支店は、経済効果は 117億円と試算しています。
ちなみに第65回(平成26年)の雪まつりによる最終需要額は329億円、
間接効果を含む経済波及効果を算出した結果は419億円もあります。

今回雪まつりに支出された税金は約2億2900万円。
この金額には自衛隊員が行う雪像制作費用などは入っていません。
イベントの効果も様々、使われる税金の多寡もいろいろですね。

最近はオリンピックや豊洲問題で使われる税金額がクローズアップされる機会が
増えています。人口減少下の日本では、何にお金を使うかに関して、
これまでの常識を捨てて、どのように将来の役に立つのかを
考えて行動しなければならないと感じています。時点ごとの経済効果も大切ですが、
2020年東京オリンピックを観た子供が感動して将来世界的なアスリートに
なるなどの効果も大いに期待したいことです。

ひるがえって私たちも組織の支出や活動、自分自身の支出や活動が
どんな未来につながっているのかを考えることが求められています。
そんな時代の変わり目に今の日本は指しかかっています。

P.F.ドラッカーの言葉
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今日最も困難な試練に直面している先進国が、
この50年間、社会として最も機能してきた日本である。==========================================

『明日を支配するもの』(1999)

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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