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ナレッジメール便 【経営のヒント 103】

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◆ 経営のヒント~ドラッカーのナレッジ ◆      ◆◆◆
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◆◆◆                     ◆  ◆    ◆       第103号

11月19日の96歳の誕生日を前に同月11日、ついに巨人が天に召されました。
今日のメルマガは、私の感謝の気持ちをこめてやや長文で書かせていただきますことを、お許しください。
11月9日、東京でドラッカー学会の発起準備会が開かれ、19日立ち上げが決定。
学会立ち上げに際して、上田惇生先生のご挨拶として「学会を立ち上げること」、「ノーベル平和賞を授与してもらうこと」の2つを実現したいとの思いを披露、またドラッカーの「まず小さく始めよ」の教えどおりホームページの立ち上げからスタートしましょうとの言葉で会はスタートしました。
「終わりが始まり」とでも言いましょうか、ご逝去と学会の立ち上げが相前後したことに因縁めいたものを感じずにはいられません。
学会の英語名は、ドラッカー教授ご本人から頂いたものですから、まさに私たちは、その思想をさらに学び、伝える役割を負ったといえます。
今日の一言は、『経営者の条件』の訳者あとがき(上田先生)からです。

<ドラッカーの一言>
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彼は自らの使命を、ゲーテのファウストの見張り役のセリフをもって、
「見るために生まれ、物見を務め」ること、と定義している。
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新訳『経営者の条件』(ダイヤモンド社)訳者あとがき より

100回を超えたこのメルマガでもたびたびその洞察力の凄さを感じていただいておりますが、まさにドラッカー教授の本質を言い表した言葉です。マネジメントの父と呼ばれたドラッカー教授ですが、企業を見る目はあくまでも人間を通しての見方で貫かれています。『企業とはなにか』(1946)に「企業とは人間組織である」との端的な指摘があります。人間をマネジメントの基本にすえることで、私たちに課題解決の多くの糸口を与えてくれているのだと思います。
企業を通じて人間を「見るために生まれ」たのがドラッカー教授の使命の一つであったと私は理解しています。
使命はもう一つあります。ドラッカー教授が執筆活動を開始した当時、「産業社会は成立するのか」という命題に取り組んでいました。そして私たちに企業を社会の中心に据えた産業社会の到来を告げ、さらにポスト資本主義社会を新しい時代として知識が価値を生むことをいち早く提唱し、最近では異質の次の社会(ネクスト・ソサエティ)に入りつつあることを私たちに知らせてくれました。
社会生態学者と呼ばれることがあるドラッカー教授は、社会の転換が経済や政治を変えるという視点から、卓越した先見性で世の中の変化を次々に指摘されました。
まさに「物見を務め」た『望楼守』の役目です。
さて『傍観者の時代』(1979)のプロローグにあっと驚く記述を見つけました。
「私が傍観者としての自分を自覚したのはあと1週間余で十四歳の誕生日を迎えようとしていた時、正確に言えば、一九二三年十一月十一日のことである」。
なんと言う偶然でしょうか「物見の役」を自覚したのは、ご逝去のちょうど82年前ということになります。私たちは今、82年間の「物見」の成果を手にしています。
30冊を超える著書は、「知的世界遺産」というべきもので、その存在に心の底から感謝するとともに、これらの知恵をこれから社会の成果のために役立てなければならないという思いにあらためて駆り立てられます。
長い間本当にありがとうございました。

佐藤 等

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