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◆ 経営のヒント~ドラッカーのナレッジ ◆      ◆◆◆
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◆◆◆                     ◆  ◆    ◆       第211号

11月11日は、ドラッカー博士が逝去して3年目の日です。
来年は生誕100年にあたり、ドラッカー・イヤーに相応しい年にしたいものです。
さて、『ポスト資本主義社会』の序章から既に4回お伝えしていますが、今回で最後となります。
たった21ページなのですが、それだけこれからの時代の本質が鮮明に記されているということだと思います。

<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆! ☆!☆!
いまが未来をつくる時である。なぜならば、
まさにいますべてのものが流動的であって、
不安定だからである。いまこそ行動の時である。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『ポスト資本主義社会』 1993年 ダイヤモンド社より

ドラッカー博士は、20世紀のことを綴った書を刊行する構想を持っていました。
日の目を見なかったのが残念です。
この書でこう書いています。
「われわれは今世紀を人類史上、最も下劣で、冷酷で、血なまぐさい世紀にしてしまった」。
これが二つの大戦を過ごしたドラッカー博士の20世紀の印象です。
なんともやりきれない記述です。
21世紀が20世紀よりも良い方向に進んでいると胸を張っていえないところが残念です。

さてこの書『ポスト資本主義社会』を記述するためにドラッカー博士は三つの分野を取り上げました。
一つ目が社会、そして政治、最後に知識です。
この順番は、予見が容易な順に並べたそうです。
社会については、何と何が起こり、なぜ起こったかを知っていると述べています。
そして次に何と何が起こり、なぜ起こるか大筋も知っていると述べました。

政治については、予定表を手にするにすぎないといいます。
やはり、何と何が起こり、なぜ起こったかを知っていると述べています。
そして次に何と何が起こる必要があるのか、なぜ必要かを明らかにできるといいます。

最後に知識ですが、われわれは問いを発することができるにすぎないといいます。
そしてその問い自体も正しいことを祈ることが出来るにすぎないとも。

課題が多いのは、移行期だからです。
ドラッカー博士が1993年時点で述べた「すでにわれられが「歴史の終わり」に近づいていると勘違いしてしまった者は、不快な不意打ちを食らうことになる」という言葉は、今にして思えばまさに的を射た表現だということがわかります。
古い「歴史の終わり」の入り口に私たちはいるのだと思います。
ドラッカー博士の予見によれば、新しい「歴史の始まり」は10年から20年後に明らかになります。
一部は姿さえ現しているかもしれません。

序章の言葉を今日の一言としました。
「行動の時」だということです。
未来は行動でしかつくる事ができません。
各界のリーダーはもちろん、何よりも一人ひとりが行動する時、それが今なのです。

佐藤 等

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