ホーム経営のヒントナレッジメール便 【経営のヒント 369】

経営のヒント

HINT

経営のヒント

ナレッジメール便 【経営のヒント 369】

◆◆◆                     ◆    ◆   ◆◆◆
◆    ◆                 ◆ ◆     ◆  ◆
◆ 経営のヒント~ドラッカーのナレッジ ◆      ◆◆◆
◆    ◆                 ◆ ◆     ◆
◆◆◆                     ◆  ◆    ◆       第369号

今日も第58章から。
企業の成長にとって多角化は避けて通れない関門です。
正しい多角化と間違った多角化を峻別し、適当な手段を採用することが重要です。
では今日の一言です。

<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
多角化のマネジメントの手段は四つある。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『マネジメント<下>』p.162 1973年 ダイヤモンド社

四つの手段とは、
1)自社開発、2)買収、3)分離、4)合弁です。
では、ドラッカー教授が挙げた注意点と上手くいくためのポイントを整理します。

自社開発と買収は相互に代替関係にあります。
どちらも得手不得手があります。
たとえば買収に失敗し続ける企業は、買収という手法が体質に合っていません。
その手段は諦めるのが賢明です。
逆も真なりです。
自分の体質を知っておくことは重要です。

1)自社開発:
自社開発に成功したならば
「われわれのために何をしてくれるか」を考えることが重要です。
成果のイメージなしに進めることを戒めています。

2)買収:
買収した側が買収された側の成果を大幅に上げることが目的である。
それゆえ「自分たちは何を貢献できるか」を考えることが重要です。
買収した側に事業に貢献できる力がなければなりません。

3)分離:
上手くいっていないものは止めなければならない。
問題は、上手くいっているものの対応です。
上手くいきながら調和していないものが分離売却の対象となります。
分離売却の基本方針は
「この事業は誰にとっていくらの価値があるか」です。

4)合弁:
合弁は最も柔軟な手段であるが、最も難しい手段でもあります。
合弁の厄介な点は、成功です。
失敗は止めるだけですが、
成功により思惑の違いが表面化することがあります。
そのため、合弁会社だけでなく、
二つの親会社の目標も予め立てておくことが重要です。
それでも対立が予想されることから
仲裁者を予め決めておくことが求められます。

企業の成長にとって多角化は避けて通れない関門です。
正しい多角化と間違った多角化を峻別し、適当な手段を採用することが重要です。
その時に慌てないように多角化のイメージを高めておくことも必要です。

佐藤 等

関連記事