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ナレッジメール便【経営のヒント 602】

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今日は前回説明した人のマネジメントの基礎をなす組織や事業を方向づけるツールの
補足説明を行いたいと思います。
今日は新しいマネジメントの原理はありません。

前回も指摘した原理を再掲際します。

<マネジメントの原理50>
組織には方向づけが必要である

<マネジメントの原理51>
組織を方向づけるには、ミッションや成果の明示などあらゆる方法で対応する

前回は、<マネジメントの原理51>のミッションや成果の明示などの「など」の部分の
最上位かつ最重要なものを質問の形で12個挙げました。
それぞれのマネジメントの原理の説明を読みとわかるのですが、相互の関連など
補足説明したいと思います。まずは12個の問いを再掲します。

1.われわれの組織のミッションは何か。
<マネジメントの原理2>

2.われわれの事業の顧客はだれか
<マネジメントの原理8><マネジメントの原理10>

3.その顧客にとっての価値は何か
<マネジメントの原理8><マネジメントの原理10>

4.われわれの事業の成果は何か
<マネジメントの原理11>

5.われわれの組織の強み(卓越性)は何か
<マネジメントの原理8>

6.われわれの組織の得意な事業プロセスのパターンは何か
<マネジメントの原理8>

7.われわれの組織で廃棄すべき事業や活動は何か。
<マネジメントの原理26>

8.われわれの事業に影響を与える社会の変化は何か(上位3つ)
<マネジメントの原理9>

9.われわれの事業は何になるのか
<マネジメントの原理21>

10.われわれの組織の強みを生かせる機会は何か
<マネジメントの原理9>

11.われわれの事業は何であるべきか
<マネジメントの原理21>

12.われわれの組織が大切にしている価値観は何か。

1.組織の目的(ミッション)を実現する手段として事業があります。
したがって2.~4.の問いは、事業単位で問うのがベストです。
複数の事業を行う組織で組織の顧客はだれかと問うとシャープさに欠けるからです。

5.や6.は、組織の強みを問うものです。
組織がもっている強みを用いて事業を行います。
事業が有効に成立する3つの条件(a.組織のミッションに沿っていること、b.組織の強みを
生かしていること、C.環境変化に適応していること)を思い出してください。

2.と3.の問いに答えること「われわれの事業は何か」は、ほぼ同義です。
この問いの発展形に9.と11.があります。
環境変化に伴い、このままで今の事業はどうなってしまうのかと問うのが9.です。

11.は環境変化から機会を探し出し、どのような事業を行うべきかを問うものです。
その問いが10.の問いです。
以上が事業のマネジメントの領域における問いです。

12.だけは異質な問いです。
これまでの問いが顧客や市場との関係性を基礎にしているのに対して、この問いは組織風土を
基礎としています。
どのような価値観を組織で大切にしているか。
これは経営者の価値観とは異なります。
もちろん経営者の価値観が組織の価値観の基礎にあることも多いですが、別物として認識する
必要があります。
トップが変わると価値観が変わってしまうようでは、組織の価値観とは言えません。
これも組織を方向づける重要なツールです。以上簡単に説明しました。

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