ホーム経営のヒントナレッジメール便 【経営のヒント 255】

経営のヒント

HINT

経営のヒント

ナレッジメール便 【経営のヒント 255】

◆◆◆                     ◆    ◆   ◆◆◆
◆    ◆                 ◆ ◆     ◆  ◆
◆ 経営のヒント~ドラッカーのナレッジ ◆      ◆◆◆
◆    ◆                 ◆ ◆     ◆
◆◆◆                     ◆  ◆    ◆       第255号

今日は、『マネジメント』第11章「多元社会の到来」からお伝えします。
11章から14章のテーマは「公的サービス機関の成果」です。
これは10章までの「企業の成果」に対応するものです。

<ドラッカーの一言>
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
サービス機関は、政府機関や病院のような公的サービス
機関であれ、企業内サービス部門であれ、すべて他の
経済活動が生み出す余剰によってコストが賄われている。
!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
『マネジメント』p.166 1973年 ダイヤモンド社より

現代社会、特に先進国の成長部門に公的サービス部門があります。
政府機関、NPO、病院、学校などがこれに属します。

しかしその成長ぶりとは裏腹に、大きな成果をあげていないのが現実だとドラッカー教授は指摘しています。主要な成長部門が生産的でない…これは大きな社旗問題だというわけです。この成長分野は、言葉を変えると教育、医療、福祉・介護などの分野がこれにあたります。
これらの分野が生産性が低いのは、長期的に見てかなり問題です。

この事情は、企業内のコストセンターたる管理的なサービス部門も同じだと指摘しています。何かを生み出すことのない部門は、結果として生産の余剰でコストを賄われているということです。サービス部門の生産性が、その企業の業績に大きくかかわることも少なくないのです。

ドラッカー教授は、このような部門が不要だといっている訳ではありません。
非生産的だといっているのです。仕組み的に効率を追求する側面が弱く、この点を克服していく必要があるというわけです。
端的にいうと「何に貢献しているか」を明確にできない組織が多いのです。
その結果、費用対効果の思考を持つことはできなくなるのです。
ここ数章は、この観点から公的サービス機関を見ていきます。単に公的サービス機関の話と聞き流さないでいただきたいと思います。なかなか奥深いものがあります。

佐藤 等

関連記事