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◆ 経営のヒント~ドラッカーのナレッジ ◆      ◆◆◆
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◆◆◆                     ◆  ◆    ◆       第256号

今日は、『マネジメント』第12章「公的サービス機関不振の原因」からお伝えします。
11章から14章のテーマは「公的サービス機関の成果」です。

<ドラッカーの一言>
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公的サービス機関と企業の最大の違いは、
支払いの受け方にある。
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『マネジメント』p.179 1973年 ダイヤモンド社より

公的サービス機関は、予算から支払いを受けます。これに対して企業は、顧客から支払いを受けます。この違いは天と地ほどの違いがあります。
組織行動がまったく異なります。企業は、顧客の満足を得ようとして行動します。
これに対し予算型組織は、より多くの予算を獲得するために行動します。
そこには、効率の概念はありません。何せ成果の概念が欠如しているのですから。

本章のテーマ「公的サービス機関不振の原因」の根本原因はここにあります。
人の問題、マネジメントのレベルの問題、目的や成果の欠如などは根本の問題ではありません。問題は、システムにあります。支払いを成果の対価としてもらうわけではないというシステムにあります。

予算による最大の弊害は、陳腐化したものを廃棄する仕組みがないことです。
成果という概念が希薄であれば当然そうなります。民主党政権になって「事業仕分け」が話題になりましたが、そのような仕組みは絶無だったのです。
これはシステムの問題です。システムがないからといって予算型組織をすべてなくすことは出来ません。その中で成果を意識し、効率を追及する仕組みを作らなければなりません。

そのために必要なこと。それは意識改革です。
無駄を溜め込む体質があることを前提に、仕組みとしてどのように非効率なものを排除していくのか。そこがポイントです。実は、このことは公的サービス部門に限りません。会社に存在する管理的部門がこれと同等の性格を持ち合わせます。総務、経理、人事などの部門は、間違いなく予算で運営されています。直接、お客様からお金を獲得することはありません。そこには、行動が非効率化する潜在リスクがあります。そのことに留意して、しっかりした仕組みをつくっていきたいものです。

佐藤 等

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