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ナレッジメール便 【経営のヒント 81】

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◆ 経営のヒント~ドラッカーのナレッジ ◆      ◆◆◆
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◆◆◆                     ◆  ◆    ◆       第81号

今日から『現代の経営』下巻に入ります。第16章「組織の構造を選ぶ」からです。
組織構造というと大企業のことと考えがちですが、「いかに単純な中小企業であっても、これらの分析を行わなかったり、いい加減に行ったりすることは許されない」と明確に言い切っています。ちなみに「これらの分析」とは、活動分析、意思決定分析、関係分析の3つです(この分析については本を読んでください)。
それでは、今日の一言から。

<ドラッカーの一言>
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間違った組織構造は、事業活動を著しく、台なしにする。
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新訳『現代の経営』(ダイヤモンド社)より

企業の「組織構造」は、普段あまり意識していないと思いますが、いかがでしょうか?
実は、この点は、神学論争にも似た2大テーゼが存在します。
それは、「組織は戦略に従う」なのか、「戦略は組織に従う」なのか、という議論です。
「組織は戦略に従う」は、アルフレッド・D・チャンドラーが提示した命題。
一方、アンゾフは「戦略は組織に従う」と正反対の見解を示しました。
普通に考えればチャンドラーが常識的です。
しかしアンゾフは新たな戦略が策定されても、変革に対する組織の抵抗によって、戦略は多くが実を結ばないという事実を重く見ました。アンゾフはこうした変革への抵抗を考慮に入れ、経営戦略の実行を期する為には、組織文化の改革と組織能力向上のための絶えざる組織学習が必要と説いたのです。
チャンドラーは1962年の著書でこの点を述べていますので、ドラッカーはその先駆的な発言をしていることになります。いずれにしても間違った組織、間違った戦略は、事業活動を著しく阻害するのは事実です。正しい戦略と正しい組織構造に一発で到達するのは難しいと思います。大切なのは「正しいやり方がある」という信念をもつこと、そしてそれを追及することだと思います。中小企業であっても・・・。

佐藤 等

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