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ナレッジメール便【経営のヒント 499】

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先月に引き続きコミュニケーションをテーマにお伝えします。

これまで「コミュニケーションと情報は違う」
「コミュニケーションは知覚である(受け手の問題である)」という
コミュニケーションの4つの原理の二つを取り上げました。

<ドラッカーの一言>

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受け手が期待しているものを知ることなく、
コミュニケーションを行なうことはできない。
期待するものを知って、
初めてその期待を利用することができる。

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『実践するドラッカー 〔チーム編〕』p.180
『マネジメント[エッセンシャル版]』p.159

前回、コミュニケーションの主役は受け手であることを示しました。
発し手は従たる存在であるということです。

受け手と発し手を巡って二つの原理があります。
今日はその一つです。「受け手の期待」に焦点を当てています。

多くの場合、受け手の期待は、個人が「やりたいこと」「やりたくないこと」という
個人の価値観などをスタートとしています。

しかしそれらのことが「なすべきこと」と一致することは稀です。
「なすべきこと」とは、組織が成果をあげるために一人ひとりが最も貢献できることは何かを考えることです。

「受け手の期待」を知るという能力を身につけなければならないのはマネジャーです。
マネジャーは、「なすべきこと」と「できること」の調整と自己目標を設定するサポートを役割をもちます。
「受け手の期待」を知る最も重要な局面です。

「英語の資格を取りたい」はやりたいことであり、
その学習プロセスが組織において、現在もしくは将来にわたって
どのように貢献できるかを明確にすることが大切だということです。

「英語の能力を高めることは大切だが、いまのあなたの役割からすればそれが最優先ではない」などと
上司はときにその期待を壊さなければならないかもしれません。

「壊す」「修正する」という行為も、その人の期待を知らなければできません。
つまり「利用した」のです。「コミュニケーションは期待である」という原理は以上のことを示しています。
受け手の存在、その受け手の期待がコミュニケーションには重要です。

さて次回はコミュニケーションの原理の最終回です。
ここではじめて「発し手」が登場します。
コミュニケーションとはなかなかに奥深いものです。

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<実践のための問い>

目の前にいる人は働くことにどのような期待をもっていますか。直接聞いてみましょう!

佐藤 等

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