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《企業の継続可能性と税制改正》

北海道の天気予報を見ると最高気温が20度を下回り、
最低気温が10度を下回る日が大半を占めるようになってきました。
日も短くなり秋の気配が日に日に濃厚になってきています。

さて相続税の改正から9カ月が経とうとしています。
今回の改正は、基礎控除が4割減じられ大増税となっています。申告期限は10か月ですから、
私たちのもとにも改正後の申告の依頼が来ています。7月の日本経済新聞社の記事では首都圏で課税対象者は倍増と報じています。札幌でもそれに近いというのが実感値です。

一方で政府は法人税の減税の方針を打ち出しています。
これまでの日本の実効税率は34.62%です。これは主要国の中ではアメリカのカリフォルニア州の
40.75%に次ぐ高さです。これが2015年度に32.11%、2016年度には31.33%となります。
これによりフランスの33.33%を下回ります。ドイツの29.55%に近づきますが、イギリスの24%、
韓国の24.20%には及びません。さらに外国資本を引き付けているシンガポールは17%で
遠く及びません。

政府は20%を模索していますが、さてどうなることか。
法人税の減税は企業が内部留保を厚くする要因になります。
その意味で企業の継続可能性を高める効果があります。
これからは役員報酬など個人で課税される役員報酬を引き下げて、
法人で課税されることが有利になることも増えてきます。
一度見直しが必要です。

これに対して自社株や社長が所有する自社の敷地などへの相続税の課税は、
企業の継続可能性を低める効果をもつことになります。積極的な対策が求められます。

理由は企業の存続が危うくなることは社会の損失だからです。
そこには顧客がいて従業員がいて、仕入先があるからです。

消費税を含めて課税対象を大幅に変更している時代を私たちは生きています。
従来の常識にとらわれない対応が求められています。
私たちは企業の継続可能性を高めるお手伝いをすることを第一の目的としています。

P.F.ドラッカーの言葉
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企業の永続こそ、マネジメントにとって決定的な評価基準である。==========================================
『マネジメント<上>』

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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