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≪”100年続く組織”を実践≫

 先週末、我が母校、小樽商科大学の100周年を迎える記念イベントに参加してきました。会場には懐かしい顔が多数。60年ぶりに再会したという大先輩達も。旧交を温めながら大いにお酒を酌み交わし、盛り上がりました。

 「100年続く組織」、3月に催させていただいた私たちの事務所の20周年のイベントの折、参加した皆さんにお伝えしたメッセージです。100年続いた組織を目の当たりにして、思うところを記してみたいと思います。 小樽商科大学の初代学長、渡邊龍聖氏は、「実学、語学及び品格」を教育のポリシーに掲げました。ポリシーは現実の教育現場に反映され、商業実践、企業実践、商品実験の講座として結実し、全国でもユニークな存在となりました。

 商業実践は、銀行、倉庫、保険、運送等の機関を模擬的に設け、実務を練習させるという授業でした。企業実践で有名なものに「高商石鹸」があります。実際の工場を作り、工場管理、原価計算、生産性分析を行い、実際に休暇中に学生が全道で販売してたといいます。商品実験は、私が在学中にも商品学という科目で残り、化学実験室と見間違うような装備の商品実験室がありました。我が国での商品学がここで創始されました。

 渡邊学長は「我輩は常に生徒諸君を遇するに少年紳士の礼をもってす」と述べたといいます。世界に通じる紳士たる品格を卒業までに身につけるべしとの方針の表明です。あわせて「北の外国語学校」とまでいわれた教授陣容を実現させました。外国人教師に高給を支払い、批判をうけても止めることはありませんでした。

 「100年の計」が3つのポリシーで始まったのです。「100年続く組織」の一つの条件は、具体的なポリシーを示すことです。ミッションやビジョンはもとより、何を具体的にすることがユニークな存在を創りあげるのかを考え抜き、実行に移すことなのです。

 創業者の想いが今に継がれています。100年後も語られ、地下水脈のように流れるポリシーの大切さを痛感させられます。いつしか母校は、「北に一星あり 小なれどその光輝強し」といわれる存在になりました。私たちの組織の80年後に想いを馳せて100年続いた母校の創業者の偉業を振り返ってみました。

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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