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≪「目標の前に目的」~“企業の存在意義”を問うていますか?≫

 オフィスの外は、ちょうど雪祭りの喧騒、今年も早1ヶ月が過ぎてしまいました。年初から大騒ぎだったLD事件もなんだか少し前のような氣がするのは私だけでしょうか?冷めやすい日本人という言葉が頭をよぎります。昨年札幌でLD社の前社長のセミナーを聴講する機会を得ました。講演に臨んでたった一つの期待感がありました。その期待感とは、「彼の経営理念を聞いてみたい」。ただそれだけの興味でした。報道、著書などでは、「経営理念はない」とうそぶいて見せているだけ?などと思いながらの参加です。

 90分の講演で得られた結論は、「やはり彼には経営に望み理念がないな」ということでした。株主でもないので特にガッカリもせず過ごしていましたが、事件を機にあらためて今回のコトの本質は、何だったのか考えてみました。

 一言で言うと「目標だけあって目的のない経営は破綻する」につきます。時価総額世界一企業を目指すというとてつもない目標を非難する氣はありませんが、「そしてどうするの?」という答えを彼の口から聞くことはありませんでした。「通信とITの融合」というお題目も「目的」ではありません。やはり「そしてどうするの?」となります。彼はこの問いに答えられないまま、退場してしまいましたが、ここから得られる教訓は重要です。“経営目的の再確認”。すべて同じ意味ですが、企業のミッション(使命)。企業の存在意義。企業の社会的役割。そして経営理念。これらの再点検がすべての企業に求められています。

 企業の目的を正しくとらえていないと、手段を選ばないで無茶な方法で目標の達成に走ってしまいます。粉飾、脱税・・。今回の教訓から我々が学ぶべき唯一最高のもの、それが「目標の前に目的」です。
実は、皆さんご存知の旭山動物園復活の奇跡の原点に「動物園の存在意義」を問うたことがあります。動物園の園長が、「動物園の存在意義」をあらためて問う。よくよく考えてみれば凄まじいことです。私は、「“企業の存在意義”を問うていますか?」という意味をこめて、昨年から数回「旭山動物園の奇跡」のお話をさせていただいており、大好評です。なんといっても10年弱で入園者を8倍以上に増やしたのですから。今年は、講演ネタを駒大苫小牧に移したいのですが、まだまだ依頼も多くしばらく続きそうです。お聞き逃しの方は、2月20日に今年3回目の講演があります。

 お問い合わせは、当事務所福土まで。

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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