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《未来のために》

今年最後の通信となります。この1年間いかがでしたか。
株価は上がり、企業倒産も記録的に少なく、大手企業も最高益を出すところもあり、
現場は人手不足といい…しかし実感がないよねという中小企業、地方企業の声を
聞く機会が多かったなぁというのが実感です。

確かに私たちの事務所のお客様企業の付加価値は徐々に上がり、黒字企業の数も増えました。
この間、例えばあえて減収経営に挑み増収を果たし、質的転換を図った企業もありました。
また人手不足と法定遵守意識の高まりから売上転嫁を実現し増収基調になった企業もありました。
しかし総じて質的転換、構造的転換までには至らずという状況です。

総選挙は戦前の予想通り自民党圧勝でした。アベノミクスが争点となり、
功罪を耳にすることも多い2週間でしたが、変化が起きていることは事実です。
変化はニュートラル(中立的)です。
変化を機会に変える人とそうでない人がいるだけです。
今こそ変化を見極め、機会を手にして自らを変革する覚悟が求められます。
そのための振り返りを年末、年始に行いましょう。

まずは自らの強みです。
強みとは組織に蓄積された他には見られない行動パターンです。
わかりやすい例でいえば、
「あそこのお店のスタッフはいつも元気のいい挨拶で気持ちがいいね」といわれるようなことです。
小さな強みを100個挙げるつもりで書き出してみてください。
変革は強みを基盤とするのが鉄則です。

強みを用いて変革の計画を行うのですが、その前に行っておくべき重要なことが2つあります。
第一に、どんな企業活動をやめるか。
具体的には付き合いで出ていた〇〇会への参加をやめるということも含まれます。
それによって時間やお金が解放されます。
廃棄(やめる・減らす)の本質は経営資源の解放にあります。

もうひとつ重要なことは、成功の追究です。
上手くいっていることを探し出し、再現性を高めることです。
そのためには成功の要因を探り出さなければなりません。
要因が解れば次に、もう一度上手くいかせるには何が必要かを考えます。
試行錯誤の結果、徐々に精度が上がってきます。

これら2つは私たちが過去にすでに行ってきたことです。
未来のために過去のことを今振り返るのです。
未来は今日創るとの金言は、日々のものであると同時に、
一年の計に最もふさわしいものです。
それではみなさん良い年をお迎えください。

P.F.ドラッカーの言葉
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未来において何かを起こすには、特に創造性は必要ない。
必要なものは、天才の業ではなく仕事である。
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『創造する経営者』 P251

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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