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≪揺らぐ不変、正と負の見方≫

 寒いGWが明けました。いかがお過ごしでしたでしょうか。私は、休暇をクッションとして1年を3つに区分しています。つまり年明けからGW前まで、GW後からお盆休み前まで、お盆休み後から12月中旬まで。GW明けの私は「次はお盆までか…頑張ろう」という心境です。

 さて、今年の7月5日(火)の法務会計プラザ&ナレッジプラザの夏季セミナーの統一テーマを「不易流行」とする予定です。この言葉は“不変の真理を知ることではじめて基礎が確立し、変化を知ることで新たな進化があるという趣旨の言葉”と理解しています。スタートは、変わらないものと変わるものを知ることです。

 私たちは、ここ数年、不変の法則あるいは不変の原理とも言うべきものがもろくも崩れ去ることを目の当たりにしてきました。制御できない原発、リーマンショックに見る制御不能な金融市場、東北の部品一つでGMの製造ラインが何日もストップする実態、JALなどの大手企業の倒産…誰もが不変と思っていた価値観、基準が揺らいでいます。

 科学や市場への過信は、結果として誰も制御できないものを生み出してしまいました。映画などで人間が作ったロボットが人間に敵対していく姿が描かれることがありますが、その光景を彷彿とさせられます。アダムスミスは市場を「神の手」と表現しましたが、神は必ずしも善いことばかりを出現させるわけではないのです。市場はプラスもマイナスもあるから優れた機能を維持していると言い換えることもできます。科学も同様です。今回の原発の様にプラスもありマイナスもあります。

 先月致知出版社の徳望塾が震災後はじめて開催されました。主催者でもある藤尾社長は南極観測船の第一回越冬隊の隊長がトラブル続きで動かない機械を前に、機械に感謝し、お願いしたというお話をしました。エンジニアがいくら格闘しても動こうとしない機械が直後に動き出したそうです。生死を分けた瞬間であったといいます。

 そのお話を引き合いに今の原発に対する国民の姿勢について藤尾社長は、疑問を呈していました。「40年も働いてきた原発に感謝する声が上がらないのはとても残念、お世話になったのに静まろうにも静まれないだろうに」と。万物に命あり。原発も人間が作り、恩恵を受け続けたもの。身勝手な心境にハッとさせられた瞬間でした。

 7月5日のセミナーには恒例の和田一廣先生と共に「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)」を世に送り出した、ダイヤモンド社の編集者:加藤貞顕氏が登壇されます。250万部を超えるメガヒットを生み出した秘話を余すところなく披露していただきます。マーケティングの王道を行く内容でもありますので、お聞き逃しなく。 

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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