≪「問い」の追求≫
今年のGWはいかがお過ごしでしたか。好天に恵まれた割には、北海道の高速道路の渋滞はそうでもなかったようです。本州に比べ一筆で移動できる距離が短いからでしょうか。
さて私のGWは、普段のツケを挽回すべく家族孝行と論文作成の下準備で埋め尽くされました。子供たちとの付き合いで最近心がけていることは、一人ひとりと向き合うことです。少し前までは、家族全員で行動することが多かったので「子供たちという束」で対応していたように思います。ところが、それぞれ自己主張も個性もハッキリしてくるとそう簡単にはいきません。何に興味があるか、学校では何を勉強しているのか、将来はどうしたいのかなど問いを発しながら収集しなければならない情報は山ほどあります。その上でできるだけ個別に一緒に行動することを心がけています。時間はかかりますが効果は抜群です。コミュニケーションの質量ともに格段に上がることを実感しています。
このことは、子供に限らず社会の中でも必要な基本中の基本です。自分は今までのままでも、相手が変わっていることに不思議と氣がつかないものです。多くのことを教えてくれる子供たちに感謝です。
GWの二つ目の大仕事(?)は、論文作成の下準備です。毎年ドラッカー学会の学会誌に投稿することが恒例になっています。編集委員という立場もあり、真剣に取り組むことを心がけています。
論文は「問い」が命です。どんな「問い」を立てるか。「いい問い」にはいい答えが用意されます。平凡な問いに対しては、平凡以下の答えしか出しようがありません。論文作成の醍醐味は、「いい問い」を見つけ、「問い」を高めることです。GW中は、「いい問い」を立てるためにウンウン唸っていました。産みの苦しみはありますが、創造性に富むとても素晴らしい時間を過ごすことができます。今年はドラッカー生誕100年ということで、とりわけ楽しい1年を過ごせそうです。深謝。
問いの重要性は3月の通信にも書かせていただきましたが、私たちのビジネスも「いい問い」を見つけ、その「問い」を高め、「問い」を追求していくのと同じことだと思っています。「いい問い」に出会った人は、いい事業でいい成果を得られます。例えば、「われわれの使命は何か」や「何によって憶えられたいか」は、常に自分を高めてくれる素晴らしい「問い」です。「問い」の力を今一度実感して、実際に使ってもらいたいと思います。
今年のGWは、「安・近・短」だったとの報道が新聞紙上でありました。円山動物園も10万人を突破したとか。お金をかけなくても充実感を味わう時代の幕開けなのかもしれません。「身の回りで起こっている小さな変化は何ですか」という問いに答えることで、新しい時代の新しい機会を手に入れたいものです。何かに真剣に向き合って「問い」を発すること。それが大きな何かを手にできる機会になるかもしれません。
ナレッジアドバイザー 佐藤 等