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戦略計画の重要な部分は、定性的ならざるを得ない【経営のヒント 732】

戦略計画は魔法の箱や手段の束ではない。思考である行動である。(中略)「われわれの事業は何か」「何になるか」「何であるべきか」という重要な問いへの答えは定量化できない。
『経営の真髄』<上>p.218

「われわれの事業は何か」「われわれの事業は何になるか」「われわれの事業は何であるべきか」は、一つの組織の計画として実現させることが大切であることは、前回述べました。ドラッカー教授は、このような長期計画を戦略計画と呼びます。

これらの問いから得られる答えが定量化に馴染まないであることから戦略計画の重要な部分は、定性的ならざるを得ません

「大」「小」「早」「遅」という表現になることもあるといいます。たとえばA事業は、「縮小に向けて速やかに動くこと」、B事業は「時間をかけて市場一番の規模を狙う」などと表現されます。これら戦略計画の中核だといいます。ドラッカー教授は、すべてのものは古くなると考えているからです。中期経営計画とし数字だけ並べている計画とは似て非なるものです。

底流には、「政治、社会、人間はそもそも定量化が不可能な領域である」との考えがあります。次回もドラッカー教授が「戦略計画ならざるもの」の特徴をお伝えします。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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