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タスクフォースのための組織構造【経営のヒント 817】

情報化組織が機能するには、組織の中の大勢の専門家、とくに地位の高い専門家の全員が全体を把握し、全体に焦点を合わせていることが不可欠である。
『経営の真髄』<下>p.68

ドラッカーは「情報化組織」にシフトしているがゆえのマネジメント上の新しい問題を4つあげました。

  1. 専門家のためのキャリアと昇進システム
  2. 共通のビジョンの形成
  3. タスクフォースのための組織構造
  4. トップの育成

ドラッカーによれば近代企業の誕生は、アメリカでは南北戦争の後、ヨーロッパでは普仏戦争後です。その後、組織構造について2つの大きな変化が起こり、今、3度目の変化、つまり組織の情報化が起こっています。

第一の変化:1895~1905年
オーナーシップからマネジメントが分離

第二の変化:1920年代
スタッフ、人事、予算などの決定する人たちと業務を執行する人たちへの分離
(その後、GEで分権制の原則に発展させた)

第三の変化;知識の専門家からなる情報化組織への移行

情報化組織では、もっとも重要な情報であるミッションの理解が大前提となります。つまり目的を共有していることです。そもそも組織は、一つの目的をもって存在しているからです。

その上で提供すべき情報と要求すべき情報について責任をもつ必要があります。それぞれの判断は、専門家が行うことになります。

情報化組織では管理者のポストが減ります。マネジメントの対象が人ではなく情報になるからです。組織形態は、目的ごとに組成される、いわゆるタスクフォース型が増えることになります。

情報化組織への移行は今現在も進行中です。手探りの状況はしばらく続きます。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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