コミュニケーションとは期待である【経営のヒント 836】
受け手が期待しているものを知ることなく、コミュニケーションを行うことはできない。
『経営の真髄』<下>p.116
コミュニケーションの4つの原理の第二は「②コミュニケーションとは期待である」です。
コミュニケーションの原理の第一は「①コミュニケーションは知覚である」でした。知覚は、コミュニケーションの受け手の問題です。つまり、発し手からの情報のすべてが受け手に伝わるわけではなく相手の知覚能力という制約の中でしか伝わらないということです。
その際に意識したいのは、相手の期待です。知覚しても「期待外れ」のことは、行動に結びつきにくいという人間の特性があります。つまり期待を知っていれば、その期待を利用して行動へと導きやすいといえます。
他方、ドラッカー教授は、相手の期待に応えられないこともあり、その場合はその期待を「破壊」し、「予期せぬことが起こりつつあることを強引に認めさせる」こともあると指摘しました。
いずれにしても「コミュニケーションの受け手の期待」を知り、これを利用することでコミュニケーションが促進されるのです。受け手の知覚能力を知り、期待を利用することはコミュニケーションの要諦といえます。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)