人生にテーマをもつ方法【経営のヒント 649】
今回も「どのように人間学を学ぶのか」という観点からお伝えしたいと思います。以下に示すように、昨年後半から取り組んでいる<人間学マップ>の3つの大項目の一つです。
<人間学マップの項目>
(1)なぜ人間学を学ぶのか
(2)どのように人間学を学ぶのか
(3)人間とは何を学ぶのか
(2)「どのように人間学を学ぶのか」について前回は、「読書尚友」―書を友とし、己と向き合い、己を高める―を挙げました。
今日は、「人生にテーマをもつ」という方法について述べたいと思います。表現としては、「一貫持続」「自分の花を咲かせる」「人生に誓うものをもつ」など表現は様々です。ちなみに上記の表現は、人間学を学ぶための日本唯一の雑誌『致知』の過去の特集テーマです。
人生を貫くテーマを決めるとき、一つの覚悟が求められます。その行為は、ときに「立志」と呼ばれます。目指すところを決め、はじめて到達点の水準を決めることができます。いわゆる目標です。ドラッカー教授の次の言葉は、人生のテーマを問うものといえるでしょう。
「何によって憶えられたいか」
『非営利組織の経営』
「どのように人間学を学ぶのか」という観点から人生のテーマ設定は非常に重要です。そのテーマにしたがって人は時間とエネルギーを使うからです。時間やエネルギーが浪費とならないためにもぜひ人生のテーマを設定しましょう。
ドラッカー教授は、「何によって憶えられたいか」の答えは、人生で何度か変わらなければならないと述べています。またアフターコロナにおいては、人生のテーマも変わることもあるでしょう。2021年は、人生のテーマの見直しのよい機会となるでしょう。一年間、人生のテーマと向き合ってみませんか。
佐藤 等(ドラッカー学会理事)