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《ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画 展》

札幌の夏の風物詩ビアガーデンも始まりました。今年は外国人の姿も結構あるようです。
7月に今年上半期の訪日外客数を914万人と政府が発表しました。
昨年が1341万人ですから驚くべき伸び率です。そのうち北海道にはおよそ10%が
訪れているようですから地元経済には恩恵が大きいといえましょう。

訪日といえば、かつて17回も日本を訪れたドラッカー教授の日本画のコレクションが来日しています。
220点余のうち約半数が5月から千葉美術館で展示され、
現在、信濃美術館で観ることができます(このあと10月から山口美術館で展示予定)。

NHKの日曜美術館で特集を組まれるなど大きく取り上げられています。
ドラッカー教授が日本画のコレクターであったことは承知していましたが、
観るのはもちろん初めてです。一生観ることはないだろうと思っていただけに感慨もひとしおです。
お蔭様で4回展示を観に行くことができました。

日本の絵画どころか、古今東西の絵画にほとんど興味はありませんでしたが、今回を機会に猛勉強中です(笑)。
教授のコレクションは「山荘コレクション」と呼ばれ、室町時代の水墨画や江戸時代の文人画を中心に構成されています。
他に1960年代当時、日本でも見向きもされなかった「禅画」や
江戸時代の奇想の作家(曾我蕭白、長澤芦雪、伊藤若冲)などのコレクションを含み多様性を確保しています。

一方で多様性の中に一貫性も見ることができます。教授は絵画を道具として使い、
その絵が自身にもたらすものをとても意識していました。
教授が意識したのは知覚能力を高めることだということが論文からわかっています。
私も展示を観る際に、ドラッカー教授は何を求めてこの絵を手に入れようとしたのかを考えながら眺めています。
何かを感じつつあるように思います。約半年、このような またとない機会を得ています。

今年は、特別な年になりそうです。

P.F.ドラッカーの言葉
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日本画から見た日本について言える最も重要なことは、
日本は知覚的であるということである。
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『すでに起こった未来』

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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