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≪変化できる人=学んでいる人≫

 残暑お見舞い申し上げます。

 さてこの夏、帯広にて盛和塾の例会がありました。盛和塾は、京セラの創業者で知られる稲盛和夫氏が塾長として若手企業家に経営の王道を説くことを目的に活動している会です。人生哲学と経営哲学が融合された稲盛フィロソフィは、聞くものを魅了します。「利他の心」など仏教思想をも取り込んだダイナミックな哲学と、現場からの叩き上げにより抽出された「アメーバー経営」理論の緻密さが両輪となり、実践的な体系として知られています。

 さらに今年の5月に開催されたドラッカー学会では、ゲスト講師として、イトーヨーカ堂の創業者の伊藤雅俊氏をお招きしました。「商いというより人間としての基本を、毎日毎日飽きずに繰り返してきただけ」など氏の語る商人道哲学にも凄まじいものがあります。短時間の滞在でしたが、私たちに大きな刺激を与えてくれました。

 お二人のお話に直接触れてみて感じることは、一流の人の視線は、とてもきめ細やかだということです。あるいは、きめ細やかな仕組みを創っておられるということです。大きくなるには、やはりそれなりの理由があります。
 お二人に共通することは、自伝的な著書に経営哲学をふんだんに盛り込んでいることです。これらの著書から多くのことを学ぶことができます。

 私たちは、人や本などとの出逢いから多くの氣づきを得ます。そして、そこから多くのことを学びます。一般に逢いたい人に逢えることは、稀なことです。出逢いの密度を上げるには、本を読むことです。本なんてと馬鹿する事なかれ。

 考えてみると、外から刺激を受ける機会は限られています。見る、聞く、匂いをかぐ、味をみる、触るという五感からしか信号は入ってきません。入ってきた信号が反射反応や思考を生みます。読むという行為を通して目から信号を受け、その結果として思考が生まれます。そして、あたかも自分で体験しているかのような効果を生み出します。

 私は<変化できる人=学んでいる人>だと考えています。実践から学ぶことは、一番効果的ですが、機会はそう多くありません。成果をあげている多くの人は、本の情報を元に模擬思考と模擬体験を繰り返し、実践を試みています。そうすることで人の何倍も学ぶ機会に恵まれます。つまり、より多くの変われるチャンスに恵まれるのです。

 私たちもこの夏は、実のある本を手に取り学びの機会を創造し、実りの時季を迎えたいものです。

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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