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≪時≫(とき)

 今年の春は遥か遠いですね。この原稿を書いている時点で札幌の桜の開花宣言はまだ出ていません。
こんな年はチョット記憶にありません。それでも春は確実にやってきます。待ちに待った春がもうすぐです。
 「時は金なり」。アメリカ合衆国建国の父に数えられるベンジャミン・フランクリンにより広まったと伝えられている時間の大切さを教えることわざです。
 
 最近、このことわざについて調べる機会がありました。フランクリン(1706年~1790年)が活躍した18世紀の後半は、イギリスで産業革命が起こり、庶民にも時計が普及した時代でもありました。人々は、定時に集まり、所定の時間働くことになりました。時計が必須の道具となりました。
 
 今では当たり前の時計ですが、時計がなければ工場を朝一斉に稼働させるなどという芸当はできません。その時以来、人々は時間に縛られて仕事をするというスタイルを受け入れることになりました。同時に人々は時間と引き換えにお金をもらう立場になったのです。現代のサラリーマンに通じる被用者の誕生です。
 以来人類は、200年以上、時間という拘束衣を身につけ、時間に追われるようになりました。

「時は金なり」は、時間が労働を通してお金に代わる原資であることを示している一方、
よりよく生きるために仕事以外の僅かの時間を有効に使いなさいという教えとなりました。時間は人生そのものです。

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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