参画【経営のヒント 461】
今日のテーマは「参画」についてです。まずは今日の言葉から。
<ドラッカーの一言>
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目標を規定することは、一人ひとりの責任である。まさに最大の責任である。
ということは、自らの属する組織の目標の設定に参画することが、一人ひとりの責任だということである。
人間関係論にいう参加意識では不十分である。それは間違いである。(中略)
自らの目標は、上司や自分の好みではなく、組織全体の目標を反映したものでなければならない。
それゆえに、心からの決意が必要である。
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『実践するドラッカー チーム編』p.92
原典―『マネジメント〈中〉』p.69
前回の記事の最後に今日のテーマ「参画」を挙げました。
「どんな場面が想定されるでしょうか」を宿題としました。
答えは上記文章の中にあります。
「目標設定に参画すること」が最も重要な参画の場面です。
参画とは参加意識ではありません。自ら意思決定に関与するということです。
自分の所属する組織や部門、チームの目標設定に参加することです。
全社の目標設定にはたとえば役員などの最上位の意思決定メンバーが参画します。
参画により連帯責任が発生します。
上記に参加した、たとえば製造担当役員(部長)は部下である課長3人を集めて
全社目標を前提にして人材の調達や投資などの製造部の様々な目標を設定します。
さらに3人の課長は、それぞれの課に戻って課員とともに製造部の目標を達成するための
課の品質向上や生産性の目標などを定めます。
そして最後は自己目標です。自分が属するチームにいかに貢献するかという形で設定します。
ドラッカー教授は、自分が属する部門やチームの目標設定に参画することが
責任をもつための前提だと強調したのです。
単に上から与えられた目標では設定責任は生まれません。
自分で設定したからやる気も湧くというものです。
子供のころ、先生や親に設定された目標にワクワクして取り組んだ人は少ないと思います。
自分で設定した目標だからこそ進んで取り組めるのです。
そのことは子供も大人も変わりません。
「心からの決意」はそこにしか生まれないのです。
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<実践のための問い>
目標設定に参画させるべき人は誰ですか?
佐藤 等