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チェンジ・リーダーたるための第四の条件がイノベーションである【経営のヒント 479】

ここ数回<変化→機会→イノベーション>について説明してきました。
今日の一言は長文ですが大切です。

<ドラッカーの一言>

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チェンジ・リーダーたるための第四の条件がイノベーションである。
これこそ今日最も注目されている分野である。しかしこれは、
チェンジ・リーダーたるための条件としては、最も重要なものではない。
体系的廃棄、継続的改善、成功の追求の仕組みのほうが、意味のある場合が多い。
むしろそれらの仕組みなくしては、いかなる組織もイノベーションを行うことはできない。

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『実践するドラッカー 〔事業編〕』p.114
原典―『明日を支配するもの』p.95

「イノベーションが最も重要なものではない」とドラッカー教授はいいます。
これまで散々説明してきまして、ここにきてなんだよと思う方も少し聞いて下さい。

「チェンジ・リーダーの条件」としては…とあります。
「チェンジ・リーダー」とはドラッカー教授の造語です。
変革の担い手、あるいは変化するために先頭に立つ者という意味です。

変革の方法についてドラッカー教授の優先順位をつけたことになります。
まず現状の上に立った「継続的改善」です。さらに前回とも関係しますが「体系的廃棄」です。
事業や製品、活動などをやめることです。廃棄の本質は資源の解放です。イノベーションの準備ともいうべき段階です。
さらに「成功の追求の仕組み」を確立することです。これは「イノベーションの機会」と関係しており、
7つの機会の筆頭にある「予期せぬ成功、予期せぬ失敗」を探索する仕組みについて述べています。

前回の関係でいうとイノベーションが上手くいく3つの条件の「機会」に関するものが「成功の追究の仕組み」であり、
「資源」に関するものが「体系的廃棄」です。
したがってイノベーションの前提条件を整えてからイノベーションのことを考えようと注意喚起していると読み取ることができます。

別の切り口、活動という視点でいうと「体系的廃棄」は「活動をやめる」こと、
「継続改善」は「活動を増やすこと」、「成功の追求の仕組み」は「活動を始めること」を意味しています。
組織も個人の活動は「増やす、減らす、始める、やめる」の4種類しかありません。
どの活動をどれだけ行うかを常に考えておかなければなりません。活動のデザイン変更です。

変更の効果は1年後から数年後に出ます。タイムラグがあります。
逆に今業績がいいのは過去の活動の結果です。成功の落とし穴にはまるのはこのためです。
良いときに何をやめ、何に集中するかを考えることが重要です。

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<実践のための問い>

どのような活動を増やし、減らし、始め、やめますか。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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