イノベーションの機会を知覚する【経営のヒント 561】
前々回からイノベーションという大き目のテーマを扱っています。
今日の原理です。
イノベーションの機会を知覚する
<マネジメントの原理24>
前回、「変化の中にイノベーションの機会を見出す」<マネジメントの原理23>を
挙げました。
しかし、変化をとらえることはなかなかむずかしいものです。
イノベーションに結びつく変化は、質的な変化です。
徴候、兆しのようなものを知る必要があります。
たとえば、身の回りがキャッシュレス化している感じる出来事に度々出会うなどがこれに
あたります。
まだまだお金が流通していますが、その比率が劇的に変わるかもしれません。
このようなときに「おやっ…」と思うことが「知覚」です。
何かの信号のようなものです。
普段からアンテナを高めて、感度を上げておかなければなりません。
ドラッカー教授は、様々な方向から方向を集めるための方法を
7つ示しました。
<イノベーション7つの機会>
・予期せぬことを探す
・ギャップを探す
・ニーズを見つける
・産業構造の変化を知る
・人口構造の変化を活用する
・認識の変化をとらえる
・新しい知識を活用する
詳しい説明は、『イノベーションと企業家精神』を読んで下さい。
これらの道具は一つを使うというよりも、7つを使って多面的に情報を集めるのが
ポイントです。
過去を分析しても新しい変化に関する情報は集まってきません。
量で示される情報は古い変化の情報です。
古い情報からイノベーションが起こることはありません。
新しい質に関する情報を入手し、その後に分析を行います。
分析といっても量的な分析ではありません。
価値に関する分析です。
たとえば、キャッシュレスについて人々がどのように感じているかについての情報を
分析します。
これも原理として挙げておきます。
イノベーションのためには知覚のあとに分析を行う
<マネジメントの原理25>