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事業の目的は、顧客価値を創造すること【経営のヒント 710】

顧客を創造するために、企業は2つの基本的な機能を果たす。
『経営の真髄』<上>p.170

事業の目的は、顧客価値を創造することにあります。顧客価値を創造するためには、マーケティングとイノベーションという基本的な機能が必要です。

前回も述べたとおりマーケティングの基本は顧客視点になることです。「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を考えることです。

これに対してイノベーションは「顧客は何を買いたいか」を明確に意識していないことも多いのです。すなわちイノベーションとは、新しい顧客価値を生み出すことです

イノベーションとは、顧客の欲求、関心の変化を知覚し、これを機会に変え、新しい製品やサービスや新しい提供プロセスを生み出すことです。

その際に重要なことは、自社の強みを生かすことです。イノベーションも結局、事業ですから強みを生かすことと、企業のミッションにしたがうことを外して成功は望めません。

イノベーションなくし組織の永続性は保てません。何十年も同じ製品やサービスを扱っていたら陳腐化することは間違いないからです。イノベーションは、すべての組織に必要な基本機能だということを自覚したいものです。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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