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「必要な利益」を考える【経営のヒント 719】

利益とは、企業存続の条件である。利益とは、未来の費用、事業を続けるための費用である。
『経営の真髄』<上>p.193

ドラッカー教授が挙げた目標は多数の分野に渡ります。マーケティングやイノベーションに関する目標、ヒト、モノ、カネという経営資源の調達に関する目標、また経営資源の使い方の効率、効果性をみる生産性目標に加え社会的責任に関する目標の7つです。

これらの目標を達成するために必要なものが利益です。これらの目標を達成するために「どれだけの利益が必要か」との問いに取り組むことができるのです。

利益とは、これらの目標を達成し、未来においても企業が存続する原資です。その意味で利益は目標というよりも一段高いハードル、つまり「条件」と位置づけました。

利益は、多ければ多いほどよいという考え方で臨むべき対象ではありません。未来にも企業が続くために「必要な利益」はいくらかとの思考が大切です。「必要な利益」を知れば、おそらく皆さんが今年立てた利益目標よりも多いはずです。

未来のリスク、不確実性をカバーするための利益(利益の蓄積である剰余金、内部留保)の額は意外と大きいことを知らなければなりません。

「必要な利益」を一度考えてみてはいかがでしょうか。基本的は姿勢が変わり、今行うべきことが変わるかもしれません。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

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