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後戻りしない大きな変化【経営のヒント 722】

すでに起こった未来は、必ず機会をもたらす。
『経営の真髄』<上>p.198

「すでに起こった未来」は、組織の外の世界に起こっている変化です。その領域は、社会、知識、文化、経済構造の変化として表れます。

その変化は、本質的な変化であり、量が増減するトレンドという変化ではなく、質的なパターンの変化であり、後戻りしない大きな変化です。トレンドに対してこのような変化を「シフト」といいます。

変化が本格的に影響を現すようになるには、タイムラグがあります。しかしいつその影響が本格的になるかは、誰にも分りません。しかし本質的な変化の影響は、いつか必ず起こることを前提に準備を進めておかなければなりません。

このような変化がもたらす影響を予期して経営資源を投下します。そこにはリスクも不確実性もあります。しかしそれは、とどまること、つまり古いパターンに資源を投下し続けることと天秤にかけた経営判断でなければなりません。

そのためには、知識を超えた見識と行動のための胆識が欠かせません。知識・見識・胆識、常に鍛えておきたいものです。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

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