強み【経営のヒント 454】
今日のテーマは「強み」です。ドラッカー教授のマネジメントにおいて人の強みは特別の位置づけを与えられています。
<ドラッカーの一言>
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強みを生かす者は仕事と自己実現を両立させる。
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『実践するドラッカー思考編』p.154
原典―『経営者の条件』p.227
「私的な強みは公益になる」。教授はマネジメントの正統性の根拠としてこの言葉を用いました。
正統性とはマネジメントが適正に機能している状態と考えればいいと思います。
つまり、組織に属する一人ひとりが自分の強みを生かして(=私的な強み)を
世の中のために役立てている状態(=公益になる)です。
ではどうやって? 答えは、マネジメントという道具を使ってということになります。
前回号で書いた成果と貢献は、その根幹です。公益のため、社会のため、
世のために成果をあげ続けることが求められます。
組織はそのための集団です。公益を具体的に示したものが企業の使命、ミッション、
存在理由です。
ドラッカー教授は「特定の使命」という言葉を使いました。
一般的ではなく、特定です。何でもできますではなく、これしかできませんが正解です。
限定するから素晴らしくできるモノやコトが生まれるのです。それを教授は卓越性と呼びました。
その結果、特定の成果が生み出されます。
成果とは外の世界における変化でした。そして組織の成果を生み出すために、
一人ひとりの貢献が必要でした(前回号)。
一人ひとりが最も貢献できることは、自らの強みを生かすことです。
貢献とは仕事の別名です。つまり、強みを生かす者が最もよく仕事を行います。
一人ひとりの強みが、組織の成果に直接的、間接的に結びつくとき生まれる感情は喜びです。
最高の貢献ができた瞬間だからです。最高の貢献は自信となり、
自らの成長の原動力となります。
自己実現とは成長という過程に与えられる言葉です。
自分のもっているものを最高に生かしたとき人は仕事と自己実現を両立したといえるのです。
仕事抜きに成長や自己実現はないことを理解し、また一緒に働く人に伝えたいものです。
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<実践のための問い>
あなたが最高の貢献を行うために生かす強みは何ですか?
佐藤 等