仕事は知識を経済価値に転換するために行う【経営のヒント 567】
今回のテーマは、本来は事業のマネジメントに属するものなのですが、
ここでは仕事のマネジメントとの中で説明させてもらいます。
そのテーマは、「組織の強み」です。前回の原理の復習からです。
仕事は知識を経済価値に転換するために行う
<マネジメントの原理31>…前回の復習
知識とは何か。
たとえば自動車メーカーは、鋼板、ガラス、タイヤ、部品などの部材を購入し、組み立てて
顧客に車を提供しています。
すべてを自前で作っているメーカーはありません。
つまり車という完成品の一部は、外部から買っているということです。
しかも、自社しか買えないような特殊なものはありません。
しかし、販売台数に差があります。つまり人気が異なります。
何がその差を生んでいるのか。
結局、マーケティング力、商品企画力、デザイン力、設計力、工程構築能力、効率的生産能力、
コスト改善能力、販売力、アフターサービス力などの差としか言いようがありません。
これらはすべて人間能力です。これが「知識」の正体であり、その違いがデザイン、価格、
アフターサービスなどの顧客価値に転換されます。
付加価値とは、これらさまざまな知識が事業プロセスの段階ごとに価値を付加されたものです。
これら知識の差を強みといいます。
強みとは、その組織に蓄積された知識なのです。
知識は仕事や作業の中で発揮されます。
「トヨタ生産方式」という世界に冠たるノウハウは、結局、組織、つまりそこに属する人間に
蓄積された知識なのです。
知識とは何かがわかったところで一つの原理に到達します。
仕事や作業の中に組織の強みは存在する
<マネジメントの原理32>
ここで一つだけ注意が必要です。
組織の強みと個人の強みはまったく性質が異なるものです。
個人の強みは一人ひとり異なる資質のことであり、組織の強みは組織の多くの人が共有して
いる能力のことです。
仕事や作業で発揮されている組織の強みは何ですか?
少し考えてみませんか。