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コミュニケーションは要求である【経営のヒント 837】

コミュニケーションは、受け手に全面降伏を要求する
『経営の真髄』<下>p.117

コミュニケーションの3つ目の原理は「コミュニケーションは要求である」です。

「コミュニケーションは、それが受け手の価値観、欲求、目的に合致するとき、強い力となる。逆にそれらのものに合致しないとき、まったく受けつけられないか、抵抗される」とドラッカーはいいます。

強い力となるか、抵抗になるかは、受け手の価値観、欲求、目的次第です。強い力として利用するためには、受け手の価値観、欲求、目的を知る必要があります。

そして逆の場合には、受け手の価値観、欲求、目的を変えることを要求しなければなりません。そのようなことはめったに起こることではありません。そして人の実存に関わることゆえに、激しい抵抗が予想されます。

それでもなお「要求する」ことがコミュニケーションの本質です。受け手の価値観、欲求、目的を変えるのは至難の業ですが、そのためにも、受け手の価値観、欲求、目的及びそこから発生する「期待」を知っておく必要があります。

ドラッカーは聖書の一場面を例に出しました。

「キリストでさえ迫害者サウロを使徒パウロとするには、サウロをいったん盲目にする必要があった」

天からの強い光で3日間盲目となり、その後、目から鱗(うろこ)のようなものが落ちて視力が回復したといいます。パウロ回心の一場面です。キリスト教を世界宗教にした最大功労者パウロの霊的な開眼は、受け手の全面降伏の賜物だったのです。

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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