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もしいま行なっていなかったとして、いま始めるか【経営のヒント 704】

「体系的かつ意識的な廃棄を行わないかぎり、次から次へと組織は問題に追われる」
『経営の真髄』<上>p.158

「人間のつくるものに、永遠のものはない。とくに今日では長く生き続けるものはほとんどない」。前回指摘した永遠の法則であり、常に事業の定義の陳腐化を予防することに意識を向けなければなりません。

この法則に抗して陳腐化を回避する方法は、2つしかないとドラッカーはいいます。

その一つが「体系的廃棄」です。

3年おきにすべての活動を見直す必要があるといいます。体系的の意味は、定期的に、網羅的にという意味です。

その際のゴールデン・クエスチョンがあります。

「もしいま行なっていなかったとして、いま始めるか」

決して行ってはならないことや、もはや行うべきでないことに最高の資源を浪費し続けることのないように、真摯にこの問いに向き合います。

廃棄の本質は、経営資源の解放です。もしこれを怠れば、目の前に現れた機会に対して投入すべき資源の欠乏を招きます。新しい未来には、積極的な廃棄が不可欠です。

 

佐藤 等(ドラッカー学会理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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