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どんな組織にもイノベーションが必要【経営のヒント 713】

「われわれの事業は何であるべきか」との問いも必要である。現在の事業をまったく別の事業に変えることによって、新しい機会を開拓し、新しい事業を創造することができるかもしれない。
『経営の真髄』<上>p.180

「われわれの事業は何か」という問いは現在を問うています。これに対して「われわれの事業は何になるか」「われわれの事業は何であるべきか」は未来を投影する問いです。

現在の環境の変化を織り込めば、われわれの事業はどうなってしまうのかを問うのが「われわれの事業は何になるか」です。どんなに大きな成功をもたらした事業も必ず陳腐化します。

現在行っている事業について常に問い、今日の主力製品・サービスから昨日の主力製品・サービスに変わるタイミングを見逃してはなりません。体系的な廃棄のときを見逃さないことです。

「われわれの事業は何であるべきか」という問いは、予測される変化に適応するため現在の事業を修正し、できるだけ長く発展させるためにあります。それでもなお陳腐化は避けられません。

すべての事業がいつか陳腐化すると考えれば、組織は新しい事業を随時テストし、明日の主力製品・サービスを育てなければなりません。どんな組織にもイノベーションが必要な所以です。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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