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ある小さな特定の発展【経営のヒント 726】

成功に必要なものは、ある小さな特定の発展だけである。
『経営の真髄』<上>p.207

「われわれの事業は何であるべきか」とドラッカー教授は問います。「ある小さな特定の発展」とは、企業家的な事業のビジョンの範囲に関わる問題です。

「小さな」も「特定の」も限定性を高める言葉です。つまり、焦点を絞ったビジョンが必要だということです。

『現代の経営』には「IBM物語」や「シアーズ物語」が各1章を割いて掲載されています。いずれも「ある小さな特定の発展」という事業の範囲に関する成功物語です。

IBMの基礎を築いたビジョンは、「データ処理」でした。シアーズ・ローバックのビジョンは「農家を顧客にし、信頼できる製品を低価格で入手できることを保証する」でした。

「ある小さな特定の発展」から始まった事業は大発展したのは、ご存じのとおりです。「ある小さな特定の発展を期待する事業は何であるべきか」。あなたはどのように考えますか。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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