成果をあげさせるためのマネジメント教育【経営のヒント 796】
マネジメント教育は、人の性格を変え、人を改造するためのものではない。成果をあげさせるためのものである。強みを存分に発揮させるためのもの、人の考えではなく自らの考えによって存分に活動できるようにするためのものである。
『経営の真髄』<下>p.32
ドラッカー教授は「雇用関係は特定の成果をあげるためのものである」といいます。明快です。強みや経験など自分がもっているものを使って成果をあげることです。
人の性格や個性に踏み込む権利はないともいいます。そのような行為は越権であると断じます。
- マネジメントに関わるスキル
- 仕事の構造と諸々の関係
- 働く者がスキルを使いこなすうえで知っておくべきこと
- 人として、より多くの成果をあげるために必要な姿勢
ドラッカー教授は、このように述べ、個性や感情には立ち入らないこと、心理操作をしないことを指摘しました。
人の性格は、働き始める頃にはおおむね決まっています。あとは仕事をとおして、自反し、自己を高めるだけです。そのために必要なものの一つがマネジメント教育です。
自分のもっている強みなどを、成果をあげるための貢献という形で発揮することです。成果をあげる能力はその筆頭に位置するものです。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)