人を間違った方向へ持っていく要因~上司~【経営のヒント 801】
(上司の)仕事のやり方を気にしてはならない。
『経営の真髄』<下>p.41
ドラッカーは、「組織には、人を間違った方向へ持っていく大きな要因が4つある」という。
1. 専門化
2. 上司
3. 階層
4. 報酬
前回、1. 専門化について述べました。今日は 2. 上司についてです。
上司の言動、些細な言葉じり、癖や習慣などが、部下には何か意図された意味あるものと映ります。しかし、ほとんどが特に意図せず、その場の関心に基づく言動です。
それゆえ、あまり上司の言動を気にしてはなりません。とりわけ話し言葉はその時の上司の関心に引き寄せられます。自分の関心と上司の関心は当然異なるので違和感が生じることも多いと思います。その時は「上司はなぜそう考えるのだろうか」と問うてみることです。解決のヒントが得られるかもしれません。見え方が変わり、理解が進み、人が方向づけられます。
マネジメントとは方向づけです。それゆえ間違った方向づけには気を付けなければなりません。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)