ホーム経営のヒント個と組織を調和させる最有力の方法【経営のヒント 810】

経営のヒント

HINT

経営のヒント

個と組織を調和させる最有力の方法【経営のヒント 810】

MBOによるマネジメントこそ、共通の利益を全員の目標に代えることのできるものである。
『経営の真髄』<下>p.53

組織が求めるものは、個の強みと責任を全開にすることです。そのためには、全員のビジョンと活動を共通の目的、すなわち組織の使命に向けて方向づけることです。

チームワークを発揮し、人の強みで弱みを意味のないものにすることです。自分のもっている資質や仕事の仕方などの個性を仕事に生かし、継続して自己開発を行います。この過程を自己成長といい、個の人生の目的の一つです。

組織の目的や使命の実現という共通の利益を果たすことをとおして、自己成長することは組織社会における原則です。そのために組織への貢献という形で個人目標を設定し、自己開発に役立てます。こうして個と組織を調和させる最有力の方法がMBOなのです。

この仕組みは、他者からの管理ではなく、自己管理が基本です。自己目標を設定することは、自己決定が基本であるがゆえに内発的に動機づけられ、成果を生み出す源泉となります。も目標設定、測定、自己評価と続くMBOは、組織運営の道具ではなく自己成長の道具です。正しい道具の使い方を身につけたいものです。

 

佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

関連記事