意思決定の結果を検証する【経営のヒント 829】
意思決定とは医療の診断と同じである。
『経営の真髄』<下>p.102
「意思決定のプロセス」の最終回です。
①何が問題かを考える
②問題の本質を把握する
③目的を明確にする
④関係者を巻き込む
⑤決定を行動に移す
⑥意思決定の結果を検証する
今日は⑥についてです。
「2400年前、ギリシャのヒポクラテスは、医者たる者は、期待する医療効果を書きとめよと教えた」。ドラッカーのいう「フィードバック」の原型です。フィードバックは2つのプロセスで出来上がっています。
①事前に何を期待するかを書き留めておく
②定期的に振り返る(ドラッカーは9か月後といった)
そして結果を検証するためには、特に意思決定者と実行者が異なる場合には、現場に足を運ぶことが求められます。なぜか。
実行者からもたらされるフィードバック情報では不十分だからです。実行者の経験から情報に大なり小なりバイアスが入るからです。
「報告は抽象である。情報は手に入っても、全体像は手に入らない」
情報だけで全体像を完全に再現することはできません。全体像が結べなければ意思決定ができません。現場で見た全体像が当初の期待と異なればやめるという意思決定が必要です。報告のみに頼って廃棄が先延ばしされる愚は避けねばなりません。
意思決定はステップを踏んで行われます。しかし、このステップは、機械的なものではなく、判断力、リスクをともなう仕事です。勇気と責任という胆力を必要とする仕事です。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)