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組織の目的と手段【経営のヒント 657】

組織がなければマネジメントはない。マネジメントがなければ、人の群れがあるだけであって組織はない。その組織が社会のための機関である。それは、社会、経済、人間が必要とするものに貢献するために存在する。
『経営の真髄』<上>p.24

ドラッカー教授は、マネジメントの定義は「何に貢献するかによって」決まるといいます。組織は社会の機関(道具)であるからには、社会における存在意義がなければなりません。

存在意義、つまり社会における役割を果しえない組織は退場すべきであり、また生き残ることができません。目的を果たせなくなった道具は、その使命を終え、静かに臨終の時を待つのみです。

それゆえ組織は、その目的、つまりミッション(使命)を常に問い、その目的に相応しい事業を行っているかを問わなければなりません。

第一に大切なことは、明確な目的を掲げ、その目的を組織のメンバーが共有しているかということです。ミッションや経営理念を形骸化させるなどという事態は、ゆめゆめ招いてはなりません。目的を見失った単なる「人間の群れ」に堕してしまいます。

第二に、目的の実現に相応しい手段をとっているかを問うことです。その手段を事業といいます。目的と関係がない事業を行ってはならないということです。もし行うのであれば、新たな目的を掲げた組織をつくるべきです。異なる目的の下で働くことは、目的を見失った状態と同じだからです。

たった2つの基本原理ですが、ぜひ確認して下さい。マネジメントのスタートラインはここからです。

佐藤等

 

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