予算の編成は、期待する成果を明らかにするところからスタートする【経営のヒント 846】
予算の編成は、期待する成果を明らかにするところからスタートする。
『経営の真髄』<下>p.137
予算だけが政府生まれのマネジメント・ツールであるとドラッカーは言います。それは19世紀のイギリスで誕生し、支出項目とその上限を決め、官僚の行動に枠をはめました。
ドラッカーは、予算は今日企業においてもこのような役割を果たしている側面があるといいます。「予算統制」という言葉すら存在しています。
企業における予算編成は、期待する成果を明らかにするところから始まります。なぜなら企業は、存続に価値があるのではなく、社会に価値を提供し続けることに価値があるからです。
本末を転倒させるなというドラッカーの至言です。それゆえ問います。
「今後一両年中に期待する成果は何か」
「来年度あるいは今後5年間に期待する成果は何か」
これらの期待に応えるために企業は必要な活動を行います。「金額とは活動の象徴的表現にすぎない」とドラッカーは言います。
予算とは、必要とされる活動つまり仕事や作業、その活動に必要な資源つまり人材、その能力、人員数からはじき出されるものです。予算は期待する成果と入手可能な手段についての検討ツールなのです。
ドラッカーの言葉は痛烈です。
「費用の一覧としてしか見ることができなければ、計画と管理に使うことのできるツールとなりえない。適切な行動をとることを妨げる足枷となるだけである」
予算という古いマネジメント・ツールのあり方を今一度、考えてみたいものです。
佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)