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《二十年に一度の神事》

7月も月末になってしまいました。先週1週間本州におりましたが、猛暑日にはあわず助かりました。
千歳空港に降り立つと10度以上気温が低く、北海道の素晴らしい一面を体感しました。

 さて、先週末は伊勢神宮の二十年に一回の神事の一環である「お白石持ち」行事に参加してきました。
この紙面でも一度お知らせしたことがありますが、伊勢神宮のご正殿は、二十年に一回建て替えとなります。
今年、平成25年は62回目の建て替えです。このことを遷宮(お宮を遷すこと)といいます。

 「お白石持ち」行事は、その本殿の姿を間近で拝する唯一の機会です。
ご正殿は、四重の垣根に囲まれていて、内側の二重の垣根の中には日本では4人しか入ることができません。
天皇陛下、皇后陛下、皇太子ご夫妻。

 今回は、新しいご正殿の間近に玉砂利の代わりとなるこぶし大の御影石を設置する神事です。  
 「お白石」とは、その白い御影石の別名です。早朝から木樽にお白石を満載した台車を引き、
その後、一人一つの「お白石」を携え、殿地に設置します。
幸運にも初日でしたのでご正殿から2~3メートルの場所に奉ずることができました。
千二百年以上続く、荘厳な神事に参加することができ日本人であることの素晴らしさを実感してきました。

 二十年に一回の遷宮は、神宮にある「常若(とこわか)」という考え方の一つの形です。
建築様式は、萱葺き屋根を数本の大柱で支えられた弥生式の建築物の流れを組むシンプルなものです。 
形式は同じ、しかし部材は奉納する装飾品からすべて新しく新調します。
 古くても新しいという考え方が「常若」です。
 
 世界の神殿で現在も現役は、ごく少数である。たとえば、ギリシャ神殿は、現役の役割を終えた遺物です。
「常若」という考え方が、人に技術を伝承させ、人々の思いを集めています。
この考えは、私たち個人や組織にも当てはまると思います。
 日々同じことを繰り返していても常に刷新し、向上していきたいものです。

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