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≪私淑する人物を持つ≫

 新年あけましておめでとうございます。眼下の大通りには、雪像作りの足場が早くもお目見えしました。さて、今年はどんな雪像が登場するのでしょうか。
 私は、今年のお正月は函館の実家で過ごしました。三が日は読書三昧。お酒を飲んでいるか、本を読んでいるかという幸せな時間を過ごさせてもらいました。

<お正月の読書備忘録>

 ・知の愉しみ知の力 渡部昇一・白川静
 ・「南洲翁遺訓」を読む―わが西郷隆盛論 渡部昇一
 ・「修養」のすすめ渡部昇一
 ・「人の上に立つ人」の勉強―『言志四録』+『重職心得箇条』佐藤一斎 ほか2冊

 私は、渡部昇一先生が大好きです。最初の本は昭和57年発行の『知的生活の方法』。大学1年生で手にとり、続編とともに今でも大切に持っています。そこに描かれているような生活が出来ればいいなとずっと頭のどこかで思っていました。長らく意識していませんでしたが、そこに書かれている生活スタイルは、いつしか自分なりに実現できたのではないかと思っています。

 それ以来、渡部先生のご著書は何十冊も読んでいます。先生を私淑する点は、ライフスタイル、国家・歴史観、人生観などです。先生は還暦を迎えて、ラテン語の名文暗記に挑戦します。その数約8百センテンス。記憶力が加速的に蘇ること、それにつられて青年時代暗証した漢文が記憶から呼び起こされることなどを体験されました。

 私は、渡部先生の他、上田惇生先生に「人生60歳からが面白いんだ」とおっしゃられたドラッカー教授と、昨年百歳を迎え今でも3時間睡眠で現役の聖路加国際病院の日野原重明先生の生き方を手本にしています。

 漢字研究の第一人者、白川静先生は、74歳から字書3部作を書き始めました。西郷隆盛が私淑した碩学佐藤一斎は、59歳に『言志録』を刊行し、4部作の最後『言志耋(てつ)録』を83歳で仕上げました。

 実業家でもマクドナルド社を立ち上げたレイ・クロック氏は52歳にして起業。昨年50歳を迎えた私は、新年に氣持ちを新たにしました。ちなみに今年85歳になる我が父は、私の本を手にとり読み出し、楽しそうにしているので全部置いてきました。聞けば名文収集をしているとか。85歳にして何を「修養」するつもりなのでしょうか…

 新年の一コマでした。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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