≪継続することによる変化~大切なものを見つけること~≫
早いもので今年も2ヶ月を切ってしまいました。今年も様々な“変化”がありました。そのなかでも今年は、「継続することによる変化」を実感させられました。
“ナレッジプラザ”という会員サービスで私が送っているメールマガジン【経営のヒント】は先月100号を迎えました。また2003年4月から行っている読書会も通算50回を超えました。
メールマガジンの記事の内容、読書会で取り上げる本、すべてピーター.F.ドラッカー先生に関するものです。
ドラッカー先生は、クレアモント大学の現役の教授。今月で御歳 96 歳になる敬愛する経営学者です。経営に迷うときすべてのことは、30冊を超えるドラッカー先生の著書の中にヒントがあります。20年~50年前の著書を中心に読んでいますが、ほとんどの著書が昨日出版されたものと勘違いするほど示唆に富み、新鮮です。
現在、この読書会の活動は、日本のドラッカー本の訳者である上田惇生先生(ものづくり大学名誉教授)を介して、ドラッカー先生の知るところとなっています。経営に一本筋を通したい経営者の皆さんの参加を歓迎します。
さて、「継続することによる変化」ですが、この秋に大きな変化があります。現在ドラッカー先生の思想を多くの経営者・実務家に広めようと「ドラッカー学会」の設立準備が進んでいます。私のような一介の学びの徒、単なるドラッカー・ファンにも有難いことに、この立ち上げメンバーとしてお声掛けいただきました。そんな出来事から、一つところで継続して事を行うことの大切さを実感しています。
「継続することによる変化」の本質は、「継続は力なり」という言葉で片付けられる単純なものではないと思います。本質は「大切なものを見つけること」そして信じて続けることだと理解しています。
年末や年度末に近づいてくると目標や方針を考える機会が増えてきます。最近思うのは、毎年毎年、目標や方針が変わるのは「おかしい」ということです。本当に大切な方針や目標ならば、変わらないはずです。
もちろんより良くなるために回数を増やそうとか、ボリュームを増やそうとかいう意味で、目標の設定レベルは変わります。でも内容は変わらない。「大切なものを見つけること」、そしてただ一心に継続するのみ。
経営でも顧客資産、組織資産、人的資産をいかに高めるか、そのためにどんな企業行動を継続するか。それを考え、実践することで経営成果は自然に上がります。
少し早いのですが今年を振り返りながら思うところを書かせていただきました。師走のあわただしさを迎える前に、立ち止まって「大切なもの」を見つけてみてはいかがでしょうか?
ナレッジアドバイザー 佐藤 等