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≪おすすめ図書 『旭山動物園の奇跡』≫

 7月の旭山動物園の入場者数が27.5万人と発表されました。昨年比約50%増で第2位上野動物園に約10万人の差をつけているとのこと。予想をはるかに超えるブレークです。さて、そんなV字回復の秘訣を経営者の皆さんと共有したいとの想いで、同園の小菅園長を7月20日にお招きしてセミナーを開催することができました。

 この紙面でも報告した4月の講演後、5月に私自身4年連続となる旭山動物園ツアーを仲間と雨天にもかかわらず決行。オランウータン室内展示場を初めて見て来ました。金網やガラスがなく、手の届くような距離で見ることができるのには驚かされます。帰ってきてからも、巷に溢れる書籍を集めつつ「再生」物語を楽しんでいます。なかでも『旭山動物園の奇跡』(扶桑社)は秀逸です。私たちの経営にも役立つメッセージが満載です。少しだけご紹介します。
 
 「そうやって議論を重ねるうちに、最終的に動物園の存在意義とはなんなのかというところに行き着いたんですよ。動物園は人間にとっても自然にとっても存在理由がないといけない。」(小菅園長)
  ・・・・「動物園」を「企業」に置き換えてみてください。
 
 「私は、動物園の価値というのは、その動物園にいる飼育係のレベルで決まると考えています。誰か一人か二人、優秀な飼育係がいたってダメなんです。全員が一つの集団として、共通の価値観をもって切磋琢磨すべきだと。」(菅野前園長)
 ・・・・「動物園」を「企業」に、「飼育係」を「社員」に置き換えてみてください。
 
 「その中で、旭山動物園だけ入園者数が伸びているということは、『こういう動物園はどうですか?』という私たちの提案に対して、多くの人々に共感を得られたということですから。これまでずっと、廃園の危機に立ち向かっていた私が思うのは、『どんなものでも、社会が必要とするもの、意味のあるものはなくならない』ということ。」(小菅園長)
 ・・・「動物園」を「企業」に、「入園者」を「顧客」に置き換えてみてください。
 
 どうでしょうか?実に見事に本質を言い当てています。理念をもつこと、価値観を共有すること、社会が必要とする独自性を打ち出すことなどなど素晴らしいメッセージが続きます。1時間程度で読めますから、夏休みの課題図書に加えてみてください。読みましたら感想を是非お聞かせ下さい。

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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