コラム

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《禅》

気がつけばGWの週、札幌の気温も15度まで上がってきました。
本格的な春、北海道はこれからが桜のシーズンです。

先日、禅宗の中興の祖といわれる白隠彗鶴禅師の禅画を観るため
京都国立博物館に行ってきました。
「禅―心をかたちに」と題された禅をテーマにした展示会です。
不立文字「ふりゅうもんじ」。文字では伝わらない世界、それが禅の世界観です。
そこにあったのは多くの高僧の絵、襖絵、禅画、天目と呼ばれる茶道の茶碗などでした。

私には、情報が溢れかえる時代にあって文字や言葉を介さない形で世代から世代に伝える
という方法は輝きを発しているように見えます。
それらは茶道や華道などにもその精神性と方法を引き継いでいます。

以心伝心―心こころを以もって心こころに伝つたう、元々は禅の言葉です。
多くの日本人が惹かれて訪れる龍安寺の石庭。禅の境地が凝縮されているといわれています。
私たちの想像以上に禅の影響が日本や日本人には残っていると感じています。

アップルのスティーブ・ジョブズはなぜ禅に傾倒していたのでしょうか。
「抽象的思考や論理的分析よりも直感的な理解や意識のほうが重要だと、
このころに気づいたんだ」
(ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズI』講談社)
と彼は述べました。

ジョブズは、私たち日本人に残っていて忘れ去られたものに気づいていたのでしょう。
今の時代にこそ必要な「何か」を発掘してみたいものです。
P.F.ドラッカーの言葉
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日本画から見た日本について言える最も重要なことは、
日本は知覚的であるということである。
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『すでに起こった未来』

ナレッジアドバイザー 佐藤 等

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