ギャップを探す【経営のヒント 34】
今年も残すところ1ヶ月をきりました。あわただしい日々をお過ごしと思いますが、一息入れて読んでいただければ幸いです。今日は、第4章イノベーションの七つの機会の2つ目で「ギャップを探す」です。ドラッカーは、4つのギャップをあげています。1)業績ギャップ(需要が伸びているのに業績が伸びていないというギャップ)、2)認識ギャップ(産業などの内部者が現実について誤った認識を持っているときのギャップ)、3)価値観ギャップ(生産者・販売者が考える価値と顧客が考える本当の価値のギャップ)、4)プロセスギャップ(困っているが解決されていないギャップ)の4つです。
<ドラッカーの一言>
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生産者や販売者は、ほとんどつねにといってよいほど、
顧客が本当に買っているものが何であるかを誤解している。
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新訳『イノベーションと起業家精神-その原理と方法-』(ダイヤモンド社)より
私は、昨年から小樽商科大学の近藤先生にお願いしてマーケティング戦略研究会を主催していますが、第一回目に必ず話されることがあります。それは「ホームセンターでドリルを買いました。さてこの人は、何を買ったのでしょうか」というものです。皆さん答えはいかがでしょうか?この答えは「穴」です。顧客が本当に欲しかったものは、穴であって、たまたまドリルを道具として買っただけなのです。聞けば「何だ」、ということですが、目から鱗が落ちる話です。なにを本当は、売っているのか?なにを買ってもらっているのか?これを理解している人は実は意外と少ないという現実があります。価値観ギャップですね。こんな話を聞かされるとまだまだやるべきことは多いなと思ってしまいます。
佐藤 等