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知識が事業である【経営のヒント 19】

今日は「知識が事業である」という章です。なんか変だなと思いませんでしたか?前回は、「顧客こそ事業だ」と、言っていたはずです。これはこのように読むことが出来ると思います。顧客と事業を結びつけるのもが知識、もう少し言えば、物やサービスは、企業が持っている知識と、顧客が持つ購買力との交換の仲立ちをする役割を担っているともいえます。そんなわけで、今日は<知識>について考えてみます。

ところで知識は、どこにあるのでしょうか?本の中にあるのは、たんなる情報です。知識は、それらの情報を仕事や成果に結びつける能力です。単なる情報は、役に立ちません。例えば、顧客情報という言葉はよくききますが、実際に使われるのは年賀状を出すときだけ、のようなことって世の中たくさんありませんか?知識は、成果に結びいてはじめて意味があるのですね。
今日の一言は、実にシンプルです。

<ドラッカーの一言>
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
(知識の)卓越性だけが、利益をもたらす
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
新訳『創造する経営者』(ダイヤモンド社)より

卓越性、そうです”抜群にいい”ということです。これを知るための魔法の問いかけは、「お客様は、なぜ我が社を選ぶのか」です。「成功するには、極めて多くの領域において、並以上でなければならない。そして多くの領域において優れていなければならない。さらに一つの領域において卓越していなければならない。」これもドラッカーの言葉です。そのためには、一つの領域に<集中>することが必要です。「選択と集中」というフレーズは、よく使われるようになりました。<集中>の真の意味は、<知識>の集中だった!と自分で書いていて新たに発見してしまいました。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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