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顧客こそ事業である【経営のヒント 18】

「顧客こそ事業である」というのが、この章のタイトルです。あまりにストレートな表現ですがドラッカーらしい言葉ですね。この章は、「企業を外部から見る」から始まります。これまでの内部から見た分析ではわからない、<そもそも企業が適切な事業を行なっているか>をいかにして知るかがこの章のテーマです。私がセミナーなどで<事業とは><事業の目的とは>を説明するときに使っているのが次の言葉です。

<ドラッカーの一言>
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
事業とは、市場において、知識という資源を経済価値に転換
するプロセスである。事業の目的は、顧客の創造である。
買わないことを選択できる第三者が、喜んで自らの購買力
と交換してくれるものを供給することである。
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
新訳『創造する経営者』(ダイヤモンド社)より

名言中の名言だと、思います。是非3回くらい味わって読んでみてください。<知識>が最も大切な経営資源だということがわかりますよね。単なる素材ではなく、知識をもとに知恵を働かせ価値を創り出していくことが大切です。難しいけど挑戦し続けないと<顧客>に取り残されます。

それから<事業の目的は、顧客の創造である>と言い切ることができるって凄いと思いませんか?<買わないことを選択できる第三者>という言葉、新鮮だと思いませんか?とても40年前に書かれたものとは思えない・・。今日のドラッカーの一言は、本質の濃縮ジュースです。濃い、深い・・、凄い!

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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