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マネジャーの仕事は人を管理することではない(マネジャーの5つの仕事)【経営のヒント 658】

マネジメントに共通する仕事は5つある。
『経営の真髄』<上>p.27

ここでマネジメントと訳された原文はmanagerです。したがってトップマネジャーたる経営者はもちろん、広く「組織の成果に責任をもつ者」という意味でのマネジャーの仕事ということです。もちろん成果とは、外の世界における変化、つまり顧客に起こるプラスの変化のことです。


(1)目標を設定すること
(2)組織すること
(3)チームをつくること
(4)評価をすること
(5)人材を育成すること

 

(1)目標を設定することについて
第一に、目標を定める領域とゴールを決めます。第二に、そのために行うべきことを決め、関係者とコミュニケーションをとります。

 

(2)組織することについて
事後活動を分析し、仕事と作業に分解し、改善し、再統合し、組織化します。

 

(3)チームをつくることについて
一人ひとりの強みを知り、これを生かすため、仕事を基軸にコミュニケーションを図ります。その中で一人ひとりの動機づけが高まるよう工夫します。

 

(4)評価をすることについて
組織の成果、チームの成果、一人ひとりの成果に目を向けます。成果とは自分の外に起こる変化です。組織は顧客に起こる変化、チームは顧客や他のチームなどに起こる変化です。個人では、自分以外の、とりわけチーム内の誰かに起こる変化です。貢献はそのための重要なコンセプトです。その測定尺度を活動前に定めておくことで、はじめて評価が可能となります。

 

(5)人材を育成することについて
人の人材育成を組織が請け負うことはできません。人材の成長は、その人の関心と努力にかかっているからです。人材育成の本質は、他人の自己開発を支援することにあります。そのためには、マネジャーは率先垂範、模範となることが必要です。

 

以外にもマネジャーの仕事を誰かに教えてもらった経験を持つ者は少数です。マネジャーの仕事は、人を管理することではなく、組織の成果に責任をもつために必要な仕事を果たすことなのです。

 

佐藤等

 

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

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