ホーム経営のヒントどのような貢献ができるか【経営のヒント 04】

経営のヒント

HINT

経営のヒント

どのような貢献ができるか【経営のヒント 04】

経営のヒント P.F.ドラッカーのナレッジ

「どのような貢献ができるか」
どうでしょうか?このように単刀直入にきかれて即答できる経営者は、決して多くないと思います。

今日はそんな話題です。いきなり<今週の言葉>からです。
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
いかに肩書きや地位が高くとも、努力に焦点を合わせたり、下に向けての権限を重視するものは、ほかの人間の部下であるにすぎない。これに対し、いかに新入りであろうとも、貢献に焦点を合わせ、結果に責任をもつ者は、最も厳格な意味において、トップマネジメントである。組織全体の業績に責任をもとうとしているからである。
☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!☆!
P.F.ドラッカー1995年 ドラッカー選書1「経営者の条件」よりすこし込み入っていますので噛み締めて2度ゆっくり読んでください。

「外部の世界に対する貢献に焦点を当てる」、これが経営者の条件の2つ目です。
「外部の世界」という言葉については、前回も触れましたが、企業などの組織外ということです。そしてドラッカーによれば「貢献」には、次の3つの種類があります。
(1)直接的な成果の領域
(2)価値の創造と価値の再確認の領域
(3)明日のための人材育成領域

このうちでも最も大切なものは、(1)の直接的な成果の領域に対する貢献です。皆さんは、部下に対して期待すべきことは○○○です。と言えるでしょうか。なかなか難しいことです。そもそも「成果」って何?ということになりかねません。成果は、企業においては売上高であったり利益であったりします。個々の部下に成果を具体的に示すことから始まります。そして売上や利益の源である「外部」、つまりこの場合は「お客様」への貢献に焦点を当てるということになります。この点は、前回にも触れたとおりです。

(2)の「価値」は、ここでは企業の掲げる目的といっておきましょう。この点については、後日触れる機会があります。また(3)の明日のための人材育成は、言うまでもないのですが、中小企業では、なかなか難しい点です。人材育成のポイントは、リーダーシップとマネジメントを厳密に分け、それそれを学ぶ機会を導入することです。でもリーダシップとマネジメントの違い???結構難しい・・・。

佐藤 等

ドラッカー教授

佐藤 等

<実践するマネジメント読書会®>創始者。『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズ5冊の著者。ドラッカー学会理事。マネジメント会計を提唱するアウル税理士法人代表/公認会計士・税理士。ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。Dサポート㈱代表取締役会長。
ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。公認ファシリテーターの育成にも尽力し、全国に100名以上のファシリテーターを送り出した。誰もが成果をあげながら生き生きと生きることができる世の中を実現するため、全国に読書会を設置するため活動中。
編著『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)シリーズは、20万部のベストセラー。他に日経BP社から『ドラッカーを読んだら会社が変わった』がある。 2019年12月『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』を出版。 雑誌『致知』に「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」連載投稿中

関連記事